戦略的なPR活動 – ”世論”をつくる –

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こんにちは。

近年では広報活動においても、戦略的に広報活動をする動きが盛んになってきました。いわゆる「戦略PR」です。

 

What is 戦略PR?

戦略PRとは「世の中の時流と商品をつなぐテーマを開発し、そこから話題喚起して世論を作り出す空気づくりを行い、その盛り上がりを商品の販売に落とし込む手法」(戦略PR代理店、西江肇司著)というものです。

製品を開発してからPRしていこうというものではなく、PRを製品開発の前段階(または並行して)にスタートさせて、その製品が発売された時に売れやすい土壌を作ろうというものです。

つまり「何故、その製品やサービスを買う必要があるのか」という部分の「何故」を先に発信していこうという手法です。

いまいち分かりにくい方もいるかと思いますので、例を見たほうが早いかもしれません。

 

戦略PRの一例

A社は静穏家電のBという製品を開発します。

 

1)普通のPR

Bという製品開発後、記者発表やテレビのCM、Facebookページにおいて製品をPRしていきます。時にはイベントなども行うかもしれません。そこでは単純に静かな家電という位置づけで、静かな家電が欲しいという人が購入することになります。

 

2)戦略PR

Bという製品を開発中、世の中に「ライフスタイルの変化によって、夜家事をする人・したい人が増えてきているが、夜に掃除機をかけたりすると近所や家族の迷惑になる」という問題を投げかけます。

そうすることで、「夜でも家事をするためには洗濯機や掃除機が静かであるべきで、そんな家電が欲しい」という世論が形成されていきます。このことを「世論合意形成」と呼んでいます。

 

そのような状態はいわば、人々がその問題を解決できるような家電を待ちわびている状態です。その最中で静穏家電のBを発表します。

 

さて、1と2のどちらの場合が売れやすいと思いますか?

2の場合はすでに「静かな掃除機や洗濯機が欲しい」という、Bが売れやすい土壌が形成されていますので、普通にPRをした場合とどちらが売れやすいかは明白ですね。

その他にも「議題設定機能」と言って、「日本人は食物繊維が足りていない」という問題を投げかけて食物繊維が豊富に含まれている食品を発売したり、「日本人の睡眠は質が悪い」という議題設定をして睡眠の質を高める寝具を発売したりするなども戦略広報の一環です。

 

他業種の戦略PR

これは製造業に限らず、教育やIT等にも活用することができます。下記に例を挙げてみたいと思います。

‣ロボット工学に特化する学習塾を新たに開きたい

「ロボットの社会がもうすぐ到来し、これからは様々な仕事や作業がロボットにとってかわられるだろう。

その時代が到来すると工学の知識がないものは下手したら社会から弾かれてしまうかもしれない。

しかし、ロボット工学の知識があるものは人としての価値が上昇し、その時代の中心として生きていけるだろう」といったようなテキストを、信頼に値するデータなどと一緒に世間に投げかけていきます。

そうすれば「子供の世代はロボット工学を学ぶ必要があるけど、独学ではどうもなあ。

わかりやすく教えてくれる機関があればいいのだが」という世論が形成され、ロボット工学特化の塾が受け入れられやすい土壌が形成されていきます。その世論が成熟したときにその塾をオープンする、といった具合です。

このように、戦略PRは何も製造業のみではないのです。(もちろんこれは一例です)

 

製品自体をPRすることはもちろん大事ですが、いくら良い製品でもそれを受け入れやすい土壌ではないと、効果が薄くなってしまいます

花で言えば、種が製品やサービス、土が世論、水や肥料がPRといったところでしょうか。

まとめ

「戦略PR代理店」の著者の西江さんは戦略的なPR活動のプロセスを次のようにまとめています。

・これだったら世の中に広まるだろうという視点から、社会に流通しやすい情報コンテンツを開発する。

・その情報コンテンツを様々な目的・ターゲットに合わせてメディア等を通じ、流通させる

その際に、「上位概念としてのマーケティング戦略にPR的発想を取り入れる」という視点と、方法論として「戦略的にPRを実行」してこそ効果が最大限発揮されると結んでいます。

 

良い種(製品)を豊かな土壌(製品を受け入れやすい環境)に植えて、適切な水や肥料(PR)を与えれば大きな花を咲かせることでしょう。

これからは種と水や肥料以外にも、土も見直してみてはいかがでしょうか。

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